ポリアモリー流・大切な人とより深い恋愛関係になれる嫉妬の対処法

それではきのコさん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

恋愛など人間関係を築くときに、多くの人が、嫉妬と独占欲、束縛によって関係を壊してしまうんですよね。

きのコさんは、嫉妬や独占欲が出た時にどのように対処しているのか、どうすればうまくいくのかなどを教えてもらえますか？

難しい質問ですね。

まず、嫉妬は無くならないし、特効薬も無いと思います。

もちろん嫉妬心の強い弱いは個人差がありますし、また、人によって嫉妬心が強くなってしまうシチュエーションにも違いがあると思います。

シチュエーションによって、嫉妬する場合もあるし、ない場合もあるということですか？

はい。

私の場合で言うと、今の一緒に住んでいる彼が他の人とデートしても、何しても、セックスしてたとしても、全然嫉妬心って起こらないんですよ。

そうなんですね。

ただ、例えば、去年まで付き合っていた別の元カレが、他の女の子と遊んだりお付き合いしたりセックスしたりということがあると、すごく嫉妬心が湧いてしまう自分がいて。

それまで自分は嫉妬心がない人間、あるいは薄い人間だと思っていたんです。

でも、嫉妬心が湧いてしまう相手とか、湧いてしまう関係性というのがあるんだなと、そのとき気付きました。

自分の感情に良い・悪いは全然なくて、嫉妬だって、人として生きていれば必ず絶対湧きおこってくるものです。

きのコさんは、嫉妬が沸き起こってきたとき、どのように対処して、相手と良好な関係を築いているんでしょうか。

私の場合、自分に嫉妬の感情が生まれたときに、それを細かく観ていきます。

それは具体的に、どのような感じなのですか？

はい。

ポリアモリーについての本はいくつかあるのですが、その中でも「嫉妬の種類」について詳しく書かれています。

例えば、

• 独占欲からの嫉妬
• 疎外感からの嫉妬
• ライバル意識からの嫉妬
• エゴからの嫉妬
• 不安からの嫉妬

です。

嫉妬と一言で言っても、いろんな種類があるんですね。

私が元カレに対して、わーっと嫉妬心が湧いた時に

「私、何が嫌なのかな？」

と自分の心に聞いてみたんです。

そこにあったのは、疎外感や知らないことによる不安から来た嫉妬だということがわかりました。

疎外感や不安から来た嫉妬ですか？

はい。

何で嫉妬したかというと、そのとき元カレに別の彼女がいたんですけど、私が彼に、

「その彼女に会いたいな」

と言ったのに、

「彼女が私（きのコ）に会いたくないと言ってるから…」

と、結局、会わせてもらえずじまいだったんです。

それで、私はその彼女を知らない人のままでいるわけじゃないですか。

やっぱり知らない人間に対して、なかなかフレンドリーな気持ちって持ちづらいなというのがあって。

知らない物事に対して不安な気持ちがあって、不安な気持ちから嫉妬心が湧いたのかなと。

そのときは自分を「そういう不安によって嫉妬心を感じる人間だったんだな」みたいな気づきがありました。

そうすると、合意は得られて付き合ったものの、新しい彼女に会う会わないでまた、いろんな山あり谷ありになるんですね。

はい。

やっぱり、細かい具体的な日常のシチュエーションに応じていくと、

「他にお付き合いする人を作ってもいいよ」ぐらいのふわっとした合意

は取れていても、

「じゃあこういう場合は、こういうシチュエーションだったらどう判断するの？」みたいな細かいルール

って、決めていくときりがないというか、全部は決めきれません。

「大筋OKと言ったけどさ」みたいなことは絶対起こってしまうんですよね。

最初は想定していなかった部分でのシチュエーションもありますものね。

やっぱり「そうは言ったけどさ」というのが起こるたびに、嫉妬とか独占欲がわいちゃったというのであれば、

• 「何で嫉妬してるんだろう？」
• 「何で独占したいと思っちゃってるんだろう？」
• 「何でこの感情が起こったのかな？」

という自分の心の中に沸き起こった嫉妬の背景やシチュエーションを、細かくよく観てあげるくらいしかできないかなと思っています。

辛いことが起きた時に、

• 「嫉妬心を持つことはいけないことだ」
• 「嫉妬心を持たないようにしよう」

と考えてしまう人が多いと思いますが、きのコさんは、ご自身の嫉妬心に丁寧に向き合っているんですね。

ありがとうございます。

そして、嫉妬って、抑えると抑えた分リバウンドすると思うんですよ。

嫉妬だけじゃなく、いろんな感情が。

ネガティブな感情って、抑えると倍になって爆発しちゃいます。

爆発する前に、きちんと向き合うんですね。

嫉妬した時に、

• どのタイプの嫉妬なのか？
• 今回の嫉妬はどこから来たんだろう？

とまず考えます。

そして、

• 「今どの言葉にムカッとしたんだろう」
• 「何を見てイラッとしたんだろう」

など、細かく、具体的に落としこんでいく感じです。

はい。

ポリアモリーの本にも、そういうテクニックとして書いてあったりします。

例えば、「想像してみましょう」。

あなたの恋人と、その恋人の恋人が、デートしているところを想像してみましょう。

• 2人食事をしているところを想像して嫉妬しましたか？
• じゃあ、手をつないでいるところを想像して嫉妬しましたか？
• じゃあ、2人でベッドに入ってるところを想像して嫉妬しましたか？

みたいな感じで、すごい具体的でいろんなシチュエーションを想像します。

セックスしてるところを想像したとして、

• ラブホテルでセックスしてたらどうでしょうか？
• 彼の部屋のベッドだったらどうでしょうか？

みたいなところまで、すごい具体的に想像していって、

• 自分の嫉妬心ってどういうときに強くなるのか？
• 逆にどういう時に起こらないのか？

などというのを見極めていくんです。

そのやり方というのは、すごい役に立ちます。

細かく、具体的に、嫉妬を観ていくんですね。

例えば、恋人のセックスについて嫉妬するとします。

恋人が別の恋人とラブホテルでセックスしていることは気にならない。

でも、彼の家でセックスしているとなると、激しく嫉妬してしまう。

こういった時に、きちんと整理できていないと、「私以外の人とのセックスは全てダメ！」となってしまいます。

はい。

でも、きちんと自分の嫉妬心に向き合えていれば、

「デートやラブホテルのセックスはいいけど、部屋でのセックスはやめてもらいたい」

と明確に、自分の気持ちを伝えることができます。

そうですね。

それを伝えることができたら、相手も、「じゃあ、君がそう言うんだったら待ちましょう」と言ってくれるかもしれないですし、伝えることでまた関係性がより深まりますよね。

これがまさに、これはOKだけどこれはNGという、さっき言った「合意を得ていくプロセス」だと思うんです。

嫉妬に限らないとは思うんですけど。

そうですね。

はい。

きのコさんの実体験からの心のこもったポリアモリーに関するお話は、大きな気づきがたくさんありました。

丁寧にインタビューに答えていただいて、ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。