みなさん、こんにちは。
累計2万人の恋愛相談を解決してきた、ラブアカデミア学長/恋愛相談師の永峰あや(@delightcolour )です。
あなたは、今、
- 「恋人がいるのに、他の人のことも好きになってしまった。2人とも好きなのに、どうしたらいいの…」
- 「どうして、ひとりの人しか好きになっちゃいけないの?いろいろなひとを、同時に好きになってしまう私は間違ってる?」
- 「ひとりだけを好きになって、その人と結婚して、死ぬまでその人だけを愛し続ける。それが本当に正しい愛の形なの?」
と、悩んでいませんか?
今回は、”複数の人を好きになって愛する”、そして”それぞれすべての関係者の合意の上で複数の人とおつきあいをする”という、「誠実で正直なポリアモリー(複数愛)という生き方」の実践者
にインタビューすることができたので、シェアしていきたいと思います。
インタビューするのはこの方です。↓
きのコ
- 1983年福岡県生まれ。
- 九州大学大学院人文科学府卒、メーカー勤務の会社員。
- 2011年より、自分が複数の人を愛する「ポリアモリー」であることをカミングアウト。
- ポリアモリーに興味をもつ人の交流会「ポリーラウンジ」を主催。
- 「わたし、恋人が2人います。〜ポリアモリー(複数愛)という生き方〜」(WAVE出版 、2018/5/8発売)を出版。
わたし、恋人が2人います。~ポリアモリー(複数愛)という生き方~
このインタビューでは、ズバリ、
浮気でも不倫でも二股でもない、誠実で正直な複数恋愛という“ポリアモリー”というライフスタイル
についてお聞きしたので、ぜひ読んで、あなた自身の「愛の在り方」について深めるキッカケにしてください。
よろしくお願いします。
目次
1.浮気でも不倫でも二股でもない!ポリアモリーとは?
ポリアモリーという生き方というのは、具体的にどういうものなのでしょうか?
はい。
- 複数の人を好きになる
- それぞれすべての関係者の合意の上で複数の人とおつきあいをする
こういったライフスタイルをポリアモリー(複数愛)と呼んでいます。
ありがとうございます。
昨今、芸能人の不倫や浮気の話題が、テレビやネットを賑わせています。
このようなパートナーに打ち明けない、嘘をついて他の誰かとつきあうといった関係でなく、正直に誠実にオープンな関係を複数の人と結ぶというあり方ですね。
はい、まさにそこですね。
よく「浮気や不倫とポリアモリー何が違うの?同じじゃないの?」と聞かれますが、関係者にウソや秘密を持つか持たない、というところが一番違うポイントだと思ってます。
例えば、「こういう人と今度お付き合いしたい」とか「お付き合いすることにしたよ」というのを、既にいるパートナーにきちんと伝えた上で、2人目3人目のパートナーを持つ。
そこのお付き合いをしていく中でも
「こういうふうにお付き合いしたい」とか、
「こういうことは嫌だ」とか、
そういうことをちゃんとみんなで話し合ってオープンにした上で、合意を得ながら、みんなでお付き合いしていくというスタイルです。
「みんなで合意する」…。大事なことですね。
例えば、きのコさんがAさんともBさんともおつきあいをしているという中で、
- AさんもBさんもお互いの存在を知っている
- どのようなおつきあいをしているかもみんなが知っている
ということですか?
そうです。
例えば、本命の人とおつきあいしている人が、別の人と恋愛、浮気をするとします。
その浮気相手には「本命の人がいるよ」ということは伝えていたとしても、逆に、本命の人には「他にも付き合っている人がいるよ」とは伝えていない。
これは、ポリアモリーの定義から外れます。
はい。
この3人の関係の中で、ポリアモリーを成り立たせる場合、
- 本命の人に「ふたり目の人とおつきあいしたい」と伝える
- ふたり目の人にも、すでに付き合っている本命がいることを伝える
- 全員の同意を得た上で、おつきあいをする
こういった形がポリアモリーです。
そうなんですね。
合意が得られないときもあったりはするんですか?
めちゃくちゃあります。
私自身もあるし、いろんな人からなかなか合意が得られないんだけど、どうしたらいいでしょうかみたいな相談もよくいただきます。
やはり、全員の合意というのが、難しい一面ではありますね。
2.「真面目に三股!?」してる自分にショック…
きのコさんがポリアモリーとして生きることになったキッカケを教えていただけますか?
ポリアモリーという言葉を知ったのは、大学1年生の18歳のときでした。
大学に入ってすぐ、初めて彼氏ができて、それはそれですごくうれしかったんですけど、1カ月たってみて、気が付いてみると、3股になってたんですよ。
なってたんですよって、勝手になったみたいに言ってますけど。
はい。
2人目3人目と付き合ってやろうとすごく意識したわけじゃないのに、気が付いたら3人好きな人ができていて、3人とそういう関係になっていた自分に気が付いて、びっくりしちゃったんです。
「あれ?これって、今私いわゆる浮気をしてるよね」と、すごくショックでした。
でも浮気ってもっとチャラチャラしたというか、不真面目な遊びの感じですることだと思っていましたが、私は「この3人をちゃんと好きだな」という気持ちが自分の中にあったので、これは何だろうなと思って、すごく悩みました。
自分の気持ちは遊びではない、本当に好きだという気持ちだったんですね。
はい。
自分のしていること、自分の気持ちが、世間一般の恋愛観と合っていない気がして、「私って頭がおかしいのかな?とすごく悩みました。
つらかったですね。
その時、大学で受けた文化人類学の講義の中で、「ポリガミー」という言葉を知りました。
それは、世界のいろんな部族で一夫多妻などの風習があるとのことでした。
気になってネットで調べてみたら、関連用語として「ポリアモリー」が出てきて、「あ、私これだったんだ!」と思いました。
なるほど。
「私って変なのかな」と思い悩んでいたことが、「こういうこともあるんだ」と知ることができると、すごく安心しますよね。
そうですね。
でも、その一瞬は「これだったんだ」と安心したんですが、やっぱり世間の恋愛観に引き戻されてしまって。
「自分はポリアモリーだ」と名乗ったり開き直ったりするなんて恥ずかしいことだ、自分は頭がおかしいんだ、病気だから直さなきゃいけない、隠さなきゃいけないという思いがわいてきて、自己否定が強くなり、自分を責める時期が始まりました。
3.自分を許して、受容して…ポリアモリーとして生きる
今はポリアモリーというライフスタイル、関係性のあり方を実践してらっしゃるということは、きのコさん自身が”自分の力”をすごく信じられているんじゃないでしょうか。
きのコさんを見ていると、世間や一般社会の「外的基準」ではなく、自分の心の中にある「内的基準」に従って、力強く生きている感じが伝わってきます。
そうですね。
そのときに自己否定の時期が始まっちゃったんですけど。
- 「自分を変えよう」とか、
- 「治そう」とか、
- 「ちゃんと1人だけを愛せるようにならなければいけない」とか
思ってました。
常に誰かしら恋人はいるんですけど、でも大体いつも、どうしても他に好きな人ができてしまうというのをずっと繰り返して、ときに浮気をしてしまったりというのが続いて。
そういう自分に対して、「また浮気しちゃって、自分って駄目なやつだな」「もうやめなきゃ」みたいな、そういう葛藤をしながら生きてきたんですけど。
27歳のときに、「結婚したら私の病気みたいなのは治るに違いない」と思って、27歳で結婚したんです。
でも結局それでも他の人を好きになっていく自分を治せなかったし、変えられなくて、28歳で離婚しまして。
28歳で離婚したというタイミングで、もう諦めたというんですかね。
もう、こういう自分なんです、ポリアモリーならポリアモリーという自分なんですということを、自分を許すというか、自分を受け入れてあげないと、多分死ぬしかないなというところまで、気持ち的にすごく追い詰められて。
そこから考え方をがらっと入れ替えてというか、もう私はポリアモリーですということを、誰かを好きになったときに、できるだけ早く言っちゃうみたいなかたちにライフスタイルを変えました。
離婚してすぐ後に彼氏ができたんですけど、その彼とお付き合いするタイミングからは、ずっと誰に対してもオープンにしていこうという感じで。
そこですごいがらっと変わったという感じでした。
本当に、自分を生き始めたという。
そうですね。
言い方悪いけど、ちょっとやけくそになったというか、開き直ったみたいな部分もあったし、諦めたというか。
これ以上自己否定しても自分を変えられないなというところに、10年間かけてたどり着いたみたいな感じでした。
そうですね。
本当に、10年間自分のことが嫌いでした。
4.同棲7年目の彼氏と、恋人が2人。現在は3人と交際中です。
今はどういうふうなご関係を築いていらっしゃるんですか。
今の交際関係ということですね。
結局そのときに、最初にポリアモリーをオープンにして付き合った彼と今も続いていて、今7年目かな。
一緒に住んで6年目になるんですけど。
その人とずっと一緒にいて、他にもいろんな恋人が、彼氏ができたり彼女ができたりということをしながら、みたいな感じです。
現状だと、一緒に住んでる彼氏、あと一緒に住んでない別の2人目の彼氏がいて、あと昨日3人目の彼氏ができたんですけど(笑)
合意を得るのも大変だとおっしゃってたので、いろんな意味でおめでとうございます。
あと、連載で読んだときに、男性だけとかそういうことじゃなくて、私はパンセクシュアルだというふうにも。
さっき彼女というのもおっしゃってたので。
ですね。
パンセクシュアルって、バイセクシュアルと似たようなセクシュアリティーなんですけど。
要は好きになるときに、男だから・女だからというのが特に好きの基準にならないというか、全ての性別が恋愛対象になるというのがパンセクシュアルという人のことで、私は自分をそれだというふうに認識していて。
男の人も好きになるし、女の人も好きになるし、それ以外のトランスジェンダーとか、そういう人も好きになるし、みたいなかたちで。
特に性別関係なく好きになって、ときにはそれで彼女ができることもあるみたいな、そんな感じです。
そういうの知らなくて苦しんでる人とかもいると思うので、そういう生き方をされているきのコさんの話を聞いたときに、もし「自分も同じだ。自分だけじゃなかったんだ」と、孤独から救われる人がいるんじゃないかなと。
確かに、「私はこういう経緯でこういうふうに自分のことを自覚するに至りました」という話をしてると、「私もそうかも」みたいな話は、わりとよく言われますね。
きのコ先生からのお知らせ
初書籍「わたし、恋人が2人います。複数愛という生き方」出版
わたし、恋人が2人います。~ポリアモリー(複数愛)という生き方~ きのコ
クリエイターと読者をつなぐサイト「CAKES(ケイクス)」におけるきのコ先生の連載企画「わたし、恋人が2人います。」企画が書籍化・出版されました。
不倫、浮気を加熱して取り上げるメディア、当事者を袋叩きにする昨今ですが、一体どれだけの人が一人の人だけを愛し続けることができるのでしょうか?
愛する人がいても、気になる人、好きな人がいる人、その人とも愛を育みたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
「自分は我慢している」からこそ、他人の浮気・不倫話に過剰に反応してしまう人が増えているのではないでしょうか?
そういった中、きのコ先生は、ポリアモリーという「好きな人を一人に決められない自分を認め、そして、誰も傷つけず愛を育んでいく恋愛の形」をそっと提案してくれます。
淡々とご自身の体験を語るきのコ先生のご著書は、私たちに新しい価値観を伝えてくれ、人生をより豊かなものにしてくれるでしょう。
※本の詳細は、上の画像もしくはこちら(Amazon)から…
実践者&理解者の集い場「ポリーラウンジ」主催
きのコ先生が主催のひとりをつとめるポリーラウンジは、ポリー(ポリアモリー/ポリガミーの方)およびポリーフレンドリーな方なら、年齢・セクシュアリティ・恋人の有無等に関係なく、誰でも参加できる交流会です。
関東と関西で数ヵ月毎に開催されているそうなので、ご興味のある方はポリーラウンジ公式Twitterより連絡してみてくださいね。
次の記事では、「ポリアモリー実践者が教える誠実で正直な愛のキズナを築くの5つのコツ」についてです。
お楽しみに…!
パートナーシップについてさらに学びたいあなたへのオススメ記事はこちら
パートナーシップの形は、必ずしも恋愛から始まるとは限らない。【第1話】
それではきのコさん、よろしくお願いします。